管理会計の目的
・業績評価
・コスト管理
・意思決定
上記の目的をすべて網羅的に実行できる論理の因果関係を強く持ち合わせたバランスト・スコアカードを中心に管理会計構築支援を行っています。
バランスト・スコアカードの主な目的は業務プロセス及び事業戦略のPDCAを体系的に行うことです。PDCAを組織内で回す場合は、PDCAを各担当者毎や各課毎に部分的に回すことが多いですが、バランスト・スコアカードは組織一丸となってPDCAサイクルを回すことができます。
バランスト・スコアカードは縦の視点と横の視点を持っています。縦の視点は、理念→ビジョン→全社戦略→事業戦略→財務の視点→顧客の視点→業務プロセスの視点→学習と成長の視点といった順番に強固な因果関係を持って構築されます。なぜ強固な因果関係を持っているかというと、例えば企業の将来像(ビジョン)を描くには組織の存在意義や使命(理念)がなければ描けないからです。またどのぐらい利益を出したいかという視点(財務の視点)があってはじめて、顧客満足をどのように高めなければならないかという視点(顧客の視点)が生まれます。つまり前者の視点は後者の視点を生み出すためのトリガー(引き金)となっているのです。また横の視点も、戦略目標→尺度→目標値→アクションプラン→予算といった順番に強固な因果関係を持って構築されます。目標がなければ、測るべき尺度も決定できない、尺度があるからはじめて目標値を設定でき、目標値があるからはじめて実施すべきアクションプランを設計でき、やるべきことが決定されてはじめて各アクションプラン毎の予算金額が出てきます。つまり横の視点も前者の視点が後者の視点を生み出すためのトリガー(引き金)となっているのです。
バランスト・スコアカードによって組織一丸となってPDCAサイクルを回すと思いも寄らない副産物が生まれます。
①戦略の可視化で社内全体のモチベーションアップに繋がる:バランスト・スコアカードは3点セットである戦略マップ、スコアカード及びアクションプランを社員全員で共有して、紙媒体やエクセルデータまたはシステム等で戦略を可視化します。人は目に見えないものは共有しづらい生き物です。また目に見えないものに対しては行動を起こしづらい生き物です。バランスト・スコアカードは戦略をすべて可視化するので、間違いなく社内全体特に現場レベルでのモチベーションは確実に上がります。
②縦の視点及び横の視点の因果関係が強いため、戦略が生き物のように成長する:縦及横の因果関係の繋がりの強さは組織がバラバラになることを防ぎ、そのことがより強い組織文化を生み出し、強固な組織のリレーションはアメーバーのようにまるで生き物となって新たな価値を生み出します。記憶力の良い人の脳がシナプスによって論理で繋がっている状態を縦の視点と横の視点の因果関係の強さで生み出すのです。
③企業の競争優位の源泉となるインタンジブルズへの投資が促進される:縦の視点の最後の視点は学習と成長の視点です。学習と成長の視点は企業の競争優位の源泉となる人材教育の視点です。また縦の視点の最後から2番目の視点は業務プロセスの視点です。業務プロセスの視点では企業の競争優位の源泉となる組織文化等の価値創造プロセスを磨きます。このようにバランスト・スコアカードでPDCAを回すことによって、他者に模倣困難である無形資産を育て上げることができます。
④トップからボトムまでのコミュニケーションが促進される:通常、戦略やPDCAサイクル等はマネジメント層がトップダウンで決定し、その決定事項を現場の人材が言われるがままに実行します。しかし、バランスト・スコアカードは縦及び横の因果関係の繋がりが強いため、理念から事業戦略までをトップのマネジメント層が作成すれば、財務の視点以降は現場レベルの人材が作成することも可能です。財務の視点以下の現場が作成した可視化された戦略マップをトップとボトムでコミニュケーションツールとして活用できるのです。また横の視点も因果関係が強いため、現場レベルの人材に作成させて現場の作成したスコアカードとアクションプランをトップとボトムで揉みコミニュケーションツールとして利用することができます。コミニュケーションは強固な組織文化を醸成するのに大きく貢献します。
今PDCAサイクルを回るツールは多く存在します。しかし多くのツールはバランスト・スコアカードを部分的に利用しているにすぎません。部分的に利用したのでは組織が生き物となって成長することはありません。