私の祖父は広島で従業員350人の中堅規模の金型の会社を経営していました。しかし過剰な設備投資によるキャッシュフローの枯渇及び当時としては珍しい産廃処理場の建築という新規事業の失敗により倒産しました。設備投資の経済性計算を行っていれば又リスク管理を適時、適切に実施し住民運動の反対に柔軟に対応できていればと歯がゆさを感じます。
私の父は広島で従業員5人の小規模な金型の会社を経営していました。当時の日本はまだ借入金利が高い状態でした。そのような状況で父は設備投資のタイミングを誤り資金繰りに大変苦労しました。父の会社に貨幣の時間価値を説明できるキャッシュフローマネジメントができる専門家がついていれば、会社の経営はどんなに楽になっただろうと思います。
会計の未来はIT技術の発達により今急激に変化しています。スキャナーによる自動仕訳、銀行取引の自動仕訳、クラウドによる社内での迅速な情報共有等数えあげればきりがないくらい会計の環境は変化しています。そのような時代だからこそ、会社の過去情報を表す財務情報を迅速に作成し、会社の未来を可視化する管理会計で企業の将来を可視化すべきです。管理会計は必ず経営者の力強い右腕となってくれます。

代表取締役 公認会計士 武信 隼人